銅管ピンホールとは原因と対策方法を解説

銅管のピンホールとは、銅管に発生する非常に小さな穴（ピンホール）のことを指します。これらの小さな穴からは水が漏れ出し、配管システムにトラブルを引き起こす原因となります。ピンホールが発生する理由はさまざまで、長期間にわたる使用や水質、管の劣化が関係しています。

本日は、水道トラブル専門店の株式会社クリーンライフで修理を実際に行っている筆者が、銅管のピンホールの主な原因、発生を防ぐための対策、そして修理方法について詳しく解説します。

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銅管のピンホールとは？

概要と症状

ピンホールは、銅管の表面にできる小さな穴で、管の内側や外側から浸食されることで発生します。これらの穴は非常に小さいため、初期段階では気づきにくいですが、時間が経つにつれて漏水がひどくなることがあります。

水漏れの発生：ピンホールから水が漏れ出し、床や壁に水染みができたり、湿気が発生します。
水圧低下：配管内で漏水が続くと、水圧が低下し、蛇口からの水の出が悪くなることがあります。
異音の発生：配管内での漏水により、異常な音が発生することもあります。

主な発生場所

ピンホールは、銅管が使われている給水・給湯システムのどこにでも発生する可能性がありますが、特に以下の部分に多く見られます。

曲がりや接続部：銅管が曲がる部分や他の管との接続部は、特に劣化しやすい箇所です。
水流が激しい場所：水の流れが激しい部分では、摩耗が進行しやすく、ピンホールが発生しやすくなります。

銅管ピンホール4つの原因

ピンホールが発生する原因はさまざまですが、ここでは代表的な原因を詳しく解説します。

1. 内部腐食

銅管の内側に腐食が発生すると、内部から浸食されてピンホールが生じることがあります。この腐食は、水質や配管の使用環境によって影響を受けます。

酸性水質：酸性度の高い水（pHが低い）を長期間使用していると、銅管の内側が腐食されやすくなります。
塩素や塩分の影響：水道水に含まれる塩素や塩分が銅を腐食させ、ピンホールの原因になります。
軟水の影響：軟水には腐食を進行させる成分が含まれていることがあり、特に長期間使用している場合にリスクが高まります。

2. 外部腐食

外部からの腐食も、ピンホールの発生原因となります。外部腐食は、銅管が湿気や化学物質にさらされることによって進行します。

湿気の影響：配管周囲の湿気や漏れた水が銅管の外側に付着すると、腐食が進行しやすくなります。
化学薬品の付着：外部に付着した化学薬品や洗剤が銅管を腐食させ、ピンホールを引き起こすことがあります。
絶縁不良：配管が他の金属に接触することで、電位差が生じて電蝕（電気による腐食）が発生することもあります。

3. 銅管の品質と使用年数

銅管の品質や使用年数も、ピンホールの発生に大きく影響します。古くなった銅管は劣化が進行しやすく、新品の状態でも製造不良が原因で問題が発生することがあります。

経年劣化：長期間使用した銅管は、時間とともに素材が劣化し、腐食しやすくなります。
製造不良：製造時の品質管理が不十分な銅管は、使用中に早期に腐食が進むリスクがあります。
圧力過多：銅管の設計耐圧を超える水圧で使用されると、管内の圧力が劣化を促進します。

4. 水流の乱れや圧力の変動

水の流れが急激に変わったり、乱れが生じると、銅管の内側に摩耗が発生しやすくなります。圧力の変動も腐食の進行を早める要因です。

水流の乱れ：急激な水の流れや流量の変化が続くと、管内の摩耗が進行します。
圧力の変動：急激な圧力変動が繰り返されると、銅管にストレスがかかり、劣化が進みやすくなります。

銅管ピンホールの修理方法

銅管にピンホールが発生した場合、早急な対応が必要です。以下は、ピンホール修理の主な方法です。

1. 修理用テープやパテでの応急処置

一時的な応急処置として、修理用テープやパテを使用してピンホールを塞ぐ方法があります。これは、緊急時の一時的な対策として有効ですが、あくまで短期的な修理方法です。

防水テープの使用：ピンホールの周囲をしっかりと巻き付けて水漏れを防ぎます。テープの巻き方によっては漏れが再発するため、きつく巻き付けることが重要です。
パテでの充填：パテを使ってピンホールを塞ぎ、硬化させることで水漏れを防止します。

2. パイプの一部交換

ピンホールが一部に集中している場合、該当部分のみを交換することが有効です。この方法は比較的簡単でコストも抑えられますが、他の部分で再発する可能性もあります。

カットと再接続：ピンホールが発生している部分を切り取り、新しい銅管を溶接や接続具でつなぎ直します。
フレアリング接続：配管の端部を広げて新しい管と接続することで、漏れを防ぎます。

3. 銅管全体の交換

ピンホールが多数発生している場合や、配管全体が劣化している場合は、銅管全体を交換するのが最も確実な方法です。全体の交換は手間と費用がかかりますが、長期的なトラブル防止には効果的です。

配管の総交換：配管全体を新しい銅管や他の耐腐食性の素材に交換します。
耐腐食性の素材使用：銅管に代わり、ステンレスやプラスチックパイプを使用することで腐食リスクを低減できます。

4. 防錆コーティングの施行

一部のケースでは、配管の内側や外側に防錆コーティングを施すことで、ピンホールの進行を遅らせることが可能です。防錆剤を塗布して内部腐食を抑え、配管の寿命を延ばします。

内部コーティング：専用の防錆剤を配管内に流し込み、腐食を防ぎます。
外部コーティング：外側からも防錆剤を塗布して、外部からの腐食を防止します。

銅管ピンホール4つの予防策

ピンホールの発生を未然に防ぐためには、日常的なメンテナンスや予防対策が重要です。以下に、主な予防策を紹介します。

1. 水質の改善

水質の影響でピンホールが発生する場合は、家庭用の水質改善装置や軟水装置を導入することで、銅管の腐食を予防することができます。

軟水装置の設置：硬水の影響で銅管が腐食する場合、軟水装置を使用して水質を調整します。
中和剤の使用：酸性の水を中和する装置を使用して、銅管の腐食を防ぎます。

2. 定期的な配管の点検とメンテナンス

定期的に配管の点検を行い、腐食の兆候や漏れがないかを確認することが重要です。早期に発見することで、大きなトラブルになる前に対処できます。

目視点検：配管の接続部分や表面を目視で確認し、異常がないかチェックします。
漏水検知システムの導入：配管システムに漏水検知センサーを設置して、漏水を早期に発見できるようにします。

3. 配管の耐久性向上

新たに配管を設置する際には、耐久性の高い銅管や他の素材を選ぶことで、腐食のリスクを軽減できます。また、配管を適切に設置することも重要です。

高品質の銅管を使用：耐腐食性が高いとされる品質の良い銅管を選びましょう。
適切な配管設置：銅管を他の金属と直接接触させないように設置し、電蝕を防ぎます。

4. 水流と圧力の管理

配管内の水流や圧力を安定させることで、摩耗や腐食を防ぐことができます。圧力調整弁を設置するなどして、配管への負担を軽減しましょう。

圧力調整弁の設置：水圧が高すぎる場合は調整弁を設置し、適切な圧力に調整します。
バッファタンクの導入：急激な水圧変動を抑えるためにバッファタンクを導入することで、配管の負担を軽減できます。

まとめ

銅管のピンホールは、配管システムにとって大きな問題ですが、適切なメンテナンスと対策を講じることで予防と修理が可能です。水質改善や定期的な点検、そして必要に応じた修理や交換を行うことで、ピンホールのリスクを大幅に低減できます。銅管の状態をしっかりと把握し、早期発見と適切な対処を心がけて、安全で快適な水回り環境を維持しましょう。