トイレのつまりは「お湯」が効果的？解消方法や対処すべきケースまとめ

「お湯を使ったらトイレのつまりが直った」
「トイレのつまりにはお湯が効果的らしい」

このような情報をインターネットやSNS、テレビなどで耳にしたことはありませんか？

実はこの情報、まったく根拠がありません。たしかにお湯だと汚れが落ちそうなイメージを持ちますが、逆に熱湯をかけてしまい便座が割れたなどのトラブルも発生しています。今回紹介する情報のポイントは以下の3つです。

・トイレのつまりをお湯で解消できる理由とは？
・トイレのつまりの解消法としてお湯を利用すべきケース
・トイレのつまりの解消法としてお湯を利用すべきではないケース

水道トラブル専門店の株式会社クリーンライフで修理を実際に行っている筆者が、よくある水道トラブルの経験をまじえて解説いたします。

トイレのつまりをお湯で解消できる理由とは？

記事の冒頭でも紹介した通り、トイレのつまりがお湯で解消するといった情報には一切根拠がありません。お湯で解決するのであれば、水を使用しても同じ効果が期待できます。

強いていえば、お湯を使用することで洗剤カスが溶けやすくなり、つまりが解消することがあります。ここでいうお湯とは40℃～60℃のぬるま湯です。

つまりの解消に重曹やクエン酸を使用する場合にもお湯は効果的です。重曹は水よりも50℃前後のお湯のほうが速く反応します。

反応が速ければ、それだけ速く酸性汚れやアルカリ性汚れにアプローチする可能性も。とはいえ、水よりもマシという程度で考えておきましょう。

それとトイレのつまりにお湯を使用するのであれば、できるだけ便器の中に残っている汚水は捨ててください。汚水が残っている状態で40℃～60℃のぬるま湯を入れると、すぐに温度が低下して水と同じになり意味が無くなります。

繰り返しになりますが、便器に使用されている陶器は急激な温度変化に弱いのが特徴です。すぐに冷たくなるから熱湯でも大丈夫ということはありません。

トイレのつまりの解消法としてお湯を利用すべきケースは以下の2点を押さえましょう。

先ほども紹介した通り、重曹はお湯で溶かすことで水よりも活発に発泡します。
その泡が便器や排水口内の汚れを吸着し、つまりの原因となっているヘドロや洗剤カスを落とします。

また、トイレットペーパーに使用されているパルプもお湯のほうが分解が速いと言われております。
トイレットペーパーの繊維がほどけることで、つまりが解消することがあります。

こちらも繰り返しになりますが、お湯を使用したらトイレのつまりが解消するといったデータやエビデンスはありません。
あくまでも気持ち程度に考えておきましょう。

トイレのつまりの原因が分からない時は、お湯の利用を控える方が無難です。例えば、異物が排水口内にある場合にお湯で流してしまうと、より一層奥につまってしまい取り出すのが困難になるケースがあります。

また、寒暖差がある日も要注意。60℃以下であっても便器にヒビが生じることがあります。

また、お湯の使用とよく一緒に紹介されているのが針金ハンガーとワイヤーブラシがあります。ワイヤーブラシはともかく、針金ハンガーを分解して異物を取り除こうとするのは、便器を傷つける非常に危険な行為ですから絶対にやめておきましょう。

お湯で流す、重曹やラバーカップを使用する、バケツで水を流すなどの行動で解消しない時は、素直にトイレの専門業者に依頼してください。お湯を使用するよりは確実にトイレのつまりが解消されます。

トイレのつまりはお湯で確実に落とせる保証はありません。

しかし、道具が必要なわけではありませんから、トイレがつまった際は一度試してみることをおすすめします。

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