下水が溢れる原因と対策、予防法を解説
下水が溢れるトラブルは、家庭で起こる最も厄介な問題の一つです。水回りが使えなくなるだけでなく、悪臭や衛生面でのリスクも伴います。
本日は、水道トラブル専門店の株式会社クリーンライフで修理を実際に行っている筆者が、下水が溢れる主な原因とその対策について詳しく解説し、日常的にできる予防策も紹介します。
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下水が溢れる主な原因
下水が溢れるトラブルには、複数の原因が考えられます。原因を特定することで、早期に対策を取ることができます。
1. 排水管の詰まり
下水の溢れの最も一般的な原因は、排水管の詰まりです。食べ物の残りや油脂、髪の毛、トイレットペーパーなどが排水管内に溜まり、最終的に管が詰まることで水が流れなくなり、逆流や溢れが発生します。
- キッチン：食器を洗う際に流れた食べ物カスや油脂が排水管に蓄積し、冷えて固まることで詰まりが生じます。油が特に危険で、冷えると固まって管を塞ぎます。
- トイレ：トイレットペーパーの過剰な使用や、流してはいけない異物（紙おむつや生理用品、ビニール袋など）が流された場合に詰まりが発生します。
- 浴室：髪の毛や石鹸カスが排水口に蓄積し、やがて詰まりの原因になります。
2. 排水設備の老朽化
排水設備の老朽化も、下水が溢れる原因の一つです。特に古い住宅では、排水管が劣化してひび割れたり、狭くなったりすることで詰まりやすくなります。さらに、地盤沈下や外部からの圧力で配管がずれてしまうことも原因です。
- 経年劣化：数十年使われた排水管は、内側が腐食し、狭くなったり穴が開いたりすることで、排水の流れが悪くなります。
- 配管のずれや損傷：地震や地盤の変動によって排水管がずれたり、外的な衝撃で破損することがあります。これにより下水が溢れるリスクが高まります。
3. 大雨や豪雨
集中豪雨や台風などの大雨による影響も、下水の溢れの原因となります。大雨が降ると、下水処理施設や排水管が大量の水を処理しきれずに溢れ、家庭の排水管に逆流してしまうことがあります。
- 公共下水の負荷：大雨が降ると下水処理施設が容量を超え、処理できなくなった水が家庭の排水管に逆流してくることがあります。
- 排水設備の不備：排水設備が古かったり、適切に整備されていないと、大雨の際に一気に水が逆流することがあります。
4. 根詰まり
木の根が地下の排水管に侵入し、詰まりを引き起こすこともあります。特に大きな木が敷地内にある場合、その根が排水管に絡みつき、徐々に排水の流れを妨げることがあります。
- 根の侵入：排水管の接合部分やひび割れから木の根が侵入し、内部で成長して詰まりを引き起こします。
- 長期的な問題：根詰まりはすぐに発見されることが少なく、気づいたときには大規模な工事が必要になる場合があります。
下水が溢れた時4つの対処法
下水が溢れた場合、できるだけ早く対処することが重要です。水漏れや悪臭が広がる前に適切な処置を行いましょう。
1. 水の使用を止める
まず、家の中で水を使用しているすべての場所の水を止めましょう。トイレ、キッチン、浴室など、どこかで水を使うと、下水管に負荷がかかり、溢れがさらに悪化する可能性があります。
2. 溢れた場所の清掃
下水が溢れた場所は、できるだけ早く清掃し、衛生を保つことが重要です。溢れた水には細菌やウイルスが含まれている可能性があるため、ゴム手袋やマスクを着用して清掃を行い、消毒液でしっかりと拭き取ります。
- 消毒：漂白剤や専用の消毒剤を使い、溢れた場所をしっかりと消毒します。トイレや浴室の場合は特に、床や壁なども忘れずに消毒しましょう。
- 換気：悪臭や湿気を取り除くために、部屋の換気を行いましょう。
3. 詰まりを解消する
軽度の詰まりであれば、ラバーカップや排水クリーナーを使って解消できることがあります。
- ラバーカップ（スッポン）：トイレの詰まりにはラバーカップが有効です。詰まりを吸引して、詰まっている異物を動かすことで流れを改善します。
- 排水管クリーナー：キッチンや浴室の詰まりには、市販の排水管クリーナーを使用して詰まりを溶かします。これで軽度の詰まりなら解消できる場合があります。
4. 専門業者に依頼する
自力で解決できない場合や、大規模な詰まりや破損が疑われる場合は、専門業者に依頼しましょう。配管の内部をカメラで調査したり、根本的な修理が必要な場合もあるため、プロの手に任せることが最善の方法です。
下水トラブルを予防するための方法
下水の溢れを防ぐためには、日常的な予防策が大切です。以下のポイントを押さえて、トラブルを未然に防ぎましょう。
1. 異物を流さない
トイレやキッチンでは、異物を排水口に流さないように気をつけましょう。特に、トイレットペーパー以外の紙製品や、食べ物カス、油脂を流さないことが重要です。
- 油脂を流さない：油は冷えると固まるため、キッチンの排水管に蓄積し、詰まりを引き起こします。使用後の油は新聞紙や不要な紙に吸わせて捨てましょう。
- ゴミ受けを使用する：キッチンや浴室の排水口にはゴミ受けを設置して、食べ物カスや髪の毛が流れ込まないようにしましょう。
2. 定期的な排水管の清掃
排水管は定期的に清掃を行い、汚れが蓄積するのを防ぎます。市販の排水管クリーナーを使用するか、重曹と酢を使った自然な洗浄方法も効果的です。
- 重曹と酢を使った掃除：排水口に重曹を振りかけ、その後酢を流し込みます。泡立ちによる化学反応で汚れが溶け、臭いや詰まりを防ぐことができます。
3. 大雨対策を行う
大雨による下水の逆流を防ぐために、逆流防止弁を設置することが有効です。また、日頃から排水口周辺を掃除し、大雨の際には排水口が詰まっていないか確認することも大切です。
- 逆流防止弁の設置：逆流が発生しやすい地域や家では、逆流防止弁を排水管に取り付けることで、下水の逆流を防ぐことができます。
まとめ
下水が溢れる原因には、排水管の詰まりや老朽化、大雨などさまざまな要因があります。早めに対策を講じることで、下水トラブルを防ぐことが可能です。異物を排水口に流さない、定期的な清掃を行う、そして大雨対策を実施することで、日常生活での下水のトラブルを未然に防ぎましょう。
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